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2012年07月09日

増資インサイダー【鷹鳩】

ここ最近、証券界を騒がせているのが増資インサイダーという言葉。

証券監視委:全日空の公募増資でインサイダーの可能性を調査(ブルームバーグ)

証券取引等監視委員会が全日本空輸の公募増資で情報漏れに基づくインサイダー取引がなかったか、調査に着手したことが9日分かった。関係者への取材で明らかになった。
監視委は、増資を公表する前日の7月2日に全日空株式が空売りにより売買高が過去3か月で最大となったことを受け、監視対象に組み入れたもよう。株価動向や空売り状況についてモニタリングやヒアリングを行い、引き受け主幹事から情報漏れがなかったかどうかなどを詳しく調べていく方針だ。
日本の金融当局は3月以降、主幹事証券からの情報漏えいによるインサイダー取引事案を相次いで公表、同時に監視を強化してきた。最大手の野村ホールディングスは社員が2010年の公募増資に関連したインサイダー3件への関与を認め、渡部賢一CEO(最高経営責任者)が先月記者会見で外部調査の結果や社内処分を公表する事態に至っている。



公募の発表前に出来高が増加…ってあからさまですね。

増資インサイダーとは、企業が公募増資を実施するというインサイダー情報を先に手に入れて事前に空売りを仕掛けることです。
公募増資を行うと一株当たりの利益は下がってしまいますし、需給も悪化してしまいますから多くのケースで株価は下落します。
なので、先に情報を仕入れて空売りを仕掛けて、株価が下落…そこで公募増資を引き受けて空売りの株を返済とやれば、ほぼノーリスクで儲かります。

よく日経の言葉解説では「インサイダー情報を何らかの方法で公表前に入手したヘッジファンドが…」と書いていますが…。

何らかの方法…ってなんでしょうか…?

それは簡単で、増資しますよって聞いちゃってるんですよね。

増資(特に大企業の多額の増資)となるとそれを引き受けてくれる人を探すわけです。
企業は増資にあたり証券会社を雇って、どれくらいの価格でどの程度の量をさばけるのか…色々と提案を出させるわけですが…。

証券会社もいい加減なことを答えるわけにはいきませんののでどれくらいの需要があるか調査します。
といってもまだ公表されていない情報なのでおおっぴらには聞けません(この辺はグレーなところです)。
その銘柄に興味がありそうな投資家にヒヤリングするわけです。ソフトヒヤリングとかサラウンディングとか呼ばれています。
大型増資になると国内だけではなく海外投資家にもソフトヒヤリングをかけてニーズがあるかどうかを探るんですが…。

はい、と言うわけで何も特別なルートではなくて、ニーズありまっか?と電話が掛かってきて「ああ増資すんのね」と分かってしまうという。
その海外投資家が直接空売りしちゃうと問題かもしれないので、話を聞いた人は同僚やHFの仲間に情報を伝える。
そして、冒頭の増資インサイダーが完成するわけです。

実際、こういう疑惑はいくつも浮上していて調査も入っています。


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posted by CFD at 19:27 | Comment(0) | 鷹鳩の世界の市場から
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